ラベル 子どもの虐待 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 子どもの虐待 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2009年7月8日水曜日

未成年時に受けた虐待で成人後のがん発症リスク上昇

未成年時に受けた虐待で成人後のがん発症リスク上昇

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0907/090703.html?ap

この記事のタイトルを見て、やっぱり、と思いました。

虐待と身体の関係はどの子どもにかかわる医療関係者も、一度は思ったことがあるのではないでしょうか。

先だって、虐待と喘息の関連を書きましたが、今度はがんです・・・。

虐待と身体の関係の中では、古くは愛情はく奪症候群があります。愛情をかけて育ててもらえなかった子供は身体発達でさえ、遅れてしまうというものです。

そうなると、私自身も児童虐待にかかわっている以上、このことを念頭に置いていかなくては、と思ってしまいました。

具体的には、虐待を受けた人たちの身体的な訴えを聞いたら、他の科の医師たちと連携をとらせてもらって検査などをすることでしょう。

また、逆に今現在がんを患っている人たちの中に、子どものころ虐待を受けた、という人がいるかもしれないのですから、受診したいという希望があれば診察に入りたいですし・・・。

やはり他の科の先生たちとのコミュニケーションをもっと上手にとれるようにならなくては・・・。

2009年1月12日月曜日

書評「虐待を受けた子どものプレイセラピー」 エリアナ・ギル著、西沢哲訳 誠信書房





書評「虐待を受けた子どものプレイセラピー」 エリアナ・ギル著、西沢哲訳 誠信書房

この本に関して言うと、仕事で使うつもりだったので書評を書こうと思っていなかったのですが、やはり自分のためにこうして書いております。おもしろい、と いう本ではありません。虐待を受けた子どもたちに対して、援助者としてどのようなサポート方法があるかという本です。さりとて、マニュアルと言いきれるほ ど事務的な本ではありません。これは、虐待を受けた子どもたちへのサポートとしてのセラピーに方法論が確立しきっていない、柔軟性のある分野であるからこ そ言えることでしょう。

その中で私がこの本の書評を書こうと思ったのは、数ある虐待支援の本の中で、この本がかなりわかりやすく解離症状の治療について書いているためです。

(9)解離症状の治療
  • トラウマを受けた人は解離症状を示すことがある。セラピストは解離症状の存在の有無及びその程度を適切に評価し、解離のプロセスに治療的接近を図らねばならない。
  • (子供の解離現象への対応)
  1. 言葉を作ること;「「何かをしているときに、知らず知らずのうちに気持ちがどこか別のところに行っちゃってるって言うことは誰にでもあることなのよ」→肯定した場合にこの状況に名前を付ける。
  2. 解離使用のパターンを評価する;最近起こった解離状態について聞く、どんなときに最も怒りやすいのかを聞く。→この後で、解離が起こる場合の類似性について話し合うのもよい。
  3. 解離状態に至る流れを探る;解離を防衛として用いる傾向のある人は、解離反応を生じるための独自のやり方をもっている。そこで、身体、情緒、感覚、思考に特に注意を払いながら子供に解離を起こしている「ふり」をしてもらうという方法がある。
  4. 「適 応的である」という説明;解離反応に対する肯定的コメント「人は誰でも、とても怖いことがあったり、あまりにも苦しすぎて気持ちを感じるのが大変な時があ るのよ。そんな時には誰でも、しばらくの間、心がどこか別のところに行ってしまうものなの。そうすることができるのはとてもよいことなのね」
  5. きっかけを理解する;解離がどんなときに役立つかを子供と話し合うことによって、セラピストは何が子どもの逃避反応を誘発するきっかけとなっているかを把握できる。
  6. 問 題となる情緒へのアプローチ;子供にとってどのような状況や情緒が問題となるかが同定されたら、それらの状況や情緒をセラピーによって取り扱っていくこと になる。子どもはそれらの徐著を回避したり抑圧しなくていいように、対処術を学ぶ必要がある。(例)特定の感情の外化;「怒りの絵」、「私が最も腹を立て るときは・・・」などのオープンエンドの質問を完成してもらう。
  7. 逃避反応に変わる行動の探究
  • 解離反応の治療の目標は、どのようなときに解離反応を利用するかを自分がコントロールできているのだという感じを子どもが持てるようになること、そして解離反応に変わる別の対処技術を子どもが身につけることである。

このような書き方をしている本は今までほとんど知らずにいたからです。

すべての項目を使ってサポートをと思っています。もちろん、私の依頼している心理士さんのチームがすでにしていることでもありますから、どのようにこれを統合していけばいいのかと、今考えています。

そしてこのように考えるきっかけをくれた本でした。

2008年12月25日木曜日

代理ミュンヒハウゼン症候群

ついに来たか、という感じの記事でした。

http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=6973 1歳の娘の点滴に「腐った水」混入、母親を逮捕

代理ミュンヒハウゼン症候群と診断されるだろう、このお母さん。記事によると他の子どもも4歳前に死亡しているということです」。
お母さんのコメントがこの診断の決め手ではないかと私は思っています。

母親は混入を認めたが、「死なせるためではなく、子どもが病気になれば、付き添って看病できると思った」と殺意は否認している。

アメリカでは、ずいぶんたくさんのこの症候群の診断を受けた人がいたと、私が医者になって3年目くらいでよく聞きました。そのころ、子どもの虐待について、私もずいぶん示唆をうけて気にするようになったので、この症候群がとても気にかかってしまっていたのでした。

そして、私が医者になって12年目で、日本でもこの症候群がこうしてメディアの俎上に乗るようになったのです。

アメリカを日本が追いかけているという構図はあらゆる点で見られていたと思いますが、以前は20年か30年サイクルだったのでは・・・。でも、こうしてたった10年以内に繰り返しています・・・。

医者になって3年目のとき私は、この症候群はきっといずれ日本でも起こるだろうと思っていたが、ここまで早いとは思医も寄りませんでした。きっと、私の身近にも、このような人がいるのでしょう・・・。

子どものために、何とかこれを未然に防いだり、起こさなくすることは出来ないでしょうか?

それにしてもこの事件で、最初に亡くなった子どもの事件をもっと精密に捜査していたら、展開は変わっていたでしょう。秋田県藤里町の事件との類似を思ったものです。

以下に、Wikipediaから定義の引用です。

代理ミュンヒハウゼン症候群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

代理ミュンヒハウゼン症候群(だいりミュンヒハウゼンしょうこうぐん、Munchausen Syndrome by Proxy, MSbP)とはミュンヒハウゼン症候群の一形態であって、傷害の対象が自分自身ではなく何か代理のものであるような精神疾患である。

多くの場合傷害対象は自らの子どもであるため、児童虐待と 同列に挙げられることも多い。しかしながら傷害行為自体は患者の目的ではなく、手段として傷害行為に及ぶことで、自らの精神的満足を他者から得ようとして いるものである。子どもが患者の傷害の対象である症例では、患者は傷害を目的として行っているわけではないとはいえ、行為が反復・継続し、重篤な傷害を負 わされる危険があるので、早急に対策を行う必要がある。傷害の対象と患者を隔離すれば、直ちに「傷害」は改善する。