2008年11月2日日曜日

研修医制度を振り返る

医療維新    2008年10月31日トップに戻る    レポート    初期臨床研修制度◆vol.2
医師の質、「向上していない」が7割
スーパーローテーション方式へは一定の評価 
村山みのり(m3.com編集部)
   


Q.2 2004年に必修化された臨床研修制度により、以前の研修制度時と比べて初期研修終了後の医師の質は向上したと思いますか

 「そう思う」「ややそう思う」を暖色、「あまりそう思わない」「そう思わない」を寒色で示した。「初期研修終了後の医師の質が向上した」、または「やや向上した」とする回答は、大学病院勤務者で約2割、それ以外の医療機関・施設勤務者で約3割にとどまっており、大半の回答者が「そう思わない」「あまりそう思わない」としている。大学病院勤務者では、「そう思う」と回答したのはわずか3%だった。


Q.3 現行制度ではスーパーローテーション方式が必須となっていますが、幅広い知識が身に付く一方で、後期研修以降、専門とする予定のない診療科も必ず研修をしなければならないことについて問題視する声も多く聞かれます。この方式について、どうすべきであると考えますか  

「ストレート方式との選択性とすべき」との回答が約半数を占めるものの、スーパーローテーション方式を続行すべきであるとする回答もほぼ半数となっており、この仕組みが課題を含みつつも一定の評価を得ていることがうかがえる。
 「続けるべき」とする回答者が大学病院の方が若干少なくなっており、Q.2の回答結果の反映とも考えることができる。
 自由意見としては、「スーパーローテーション期間を延長すべき」「短縮すべき」の両方の声があったほか、「内科系ローテーション、外科系ローテーション、ジェネラリストローテーションなどパターンの多様化を」などの意見も上がった。


(以下、psycho)

 医師の質が向上していないのに、現行の研修医制度を続ける必要があるのかないのか、という問題を提起したいのかもしれませんが、いくつか検討すべき点があると思います。

 まず、研修医制度が始まってからだいたい4年くらいしか続いていないのです。つまり、医師免許を取得して4年目くらいの医師が最初の研修医制度卒業生になるわけです。

 自分がその年次の医者だったころを考えると、まだまだ心もとないとしか言いようがない時期でしたから、まだまだ医師の質が云々といえるのかどうか、疑問な時期ではないでしょうか。

 そして彼らを評価するのは、年齢のいった指導医なわけです。

 つまり年齢によるバイアスがかかっているのではないか?ということでもあり、評価する人の違いもあるのではないか?ということを考えてほしいということです。

 次に、ストレート方式と現行の研修医制度の違いもまた比べるのが難しいのではないかと思います。私は、変則的な研修制度を受けた人間だと思います。最初は、全然精神科を考えておらず、小児科を偶然研修の第二選択として選び、第一選択、いわゆるストレート方式の頃の「医局」に入った場所は全然別の場所でした。

 自分がいい医者かどうかは謎ですが、精神科医としてはある程度は治療できる部分があるようです。ただし、私は採血ですらできない人ですし、まして中心血管栄養IVHもできません。それでいいかどうかということでしょう。

 私個人としては、不自由は感じていません。内科と連携させてもらっていますし、採血検査も看護師さんがメインでやってもらえるからです。

 私は何をしているのか。

 つまり私は、外来に受診した人たちに対して「安心感」を渡しているだけです。そして、薬の依存にならないように、ゆっくりと病院以外の世界が生活の比率に高くなるようにしているということです。私は、それでいいと思っています。

 逆に、内科の医師で「安心感」を渡せたらそれはそれでいいと思っていますが、なかなかそういうことにはいかないようです。その理由はよくわかりません。

 研修医制度については、まだまだよく論議していくことが大事と思いますから、こういう集計や提言は大事だと思いますが、単純比較はできないと思います。

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