2008年11月7日金曜日

早期教育がはじまる!?

英語力つくと「省エネ脳」 学習期間で活動に差
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記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2008年11月6日】

 小学1年から英語を学んだ中高生は、中学から学び始めた生徒より、脳が働かなくても英語を理解できるとの研究結果を酒井邦嘉(さかい・くによし)東京大准教授(言語脳科学)らがまとめ、5日付の米科学誌に発表した。

 酒井准教授は「英語力がつくほど、考えなくても答えが出る『省エネ脳』になることを示している。6年以上、英語に接する重要性を示唆するものだ」と話している。

 小学1年から毎日英語の授業を受けた中高生12人と、中学から勉強を始めた18人を対象に、脳血流の変化を測る機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を使い、英語の文法問題を解いている最中の脳の活動を調べた。

 両グループの成績の平均値に大差はなかったが、中学からのグループでは、成績の良い生徒ほど文法をつかさどる左脳の中枢の活動が活発化。逆に小学校からのグループは成績の良い生徒ほど活動が盛んでなかった。

 英語習得の初期にはこの文法中枢の活動が高まり、英語力が定着するほど文法中枢を使わなくても英語を処理できるようになってくるためだとみられる。

注)米科学誌はHUMAN・BRAIN・MAPPING


(以下、psycho)

 この記事を読んだお父さん、お母さんたちは、「やっぱり、早期教育は大事だ」と感じる可能性は高いのでしょう。そして、早期教育に英語を、という潮流が主流となるのかもしれません。

 私はどっちでもいいや、といういい加減派なので、あまりそう感じないのですが・・・。

 ただ、普段外来で来てくれる人たちとお話ししていると、気になるのですが、ほとんどの方の抱いている感想です。
 「発達障害は、治りますよね?訓練で、普通の子たちと同じようになるんですよね」というものです。

 現在の発達障害のとらえ方としては、一言では「一生もの」です。ただ、発達障害になぜなるのか原因が分からない以上、どんなふうになっていくのかは予想と、これまでの諸外国での研究や報告の蓄積でしかわかりません。だから、「治る」かもしれませんが、おそらく前述の研究から考えて「一生もの」の可能性が高いのです。

 ただ、日本だけなのか他の国や文化圏がそうなのかわかりませんが、「人間、鍛えれば、勉強すれば、頑張れば、望ましい方向に変化する」という思考が、非常に多いように思います。

 発達障害が「治る」、しかも「療育して」「頑張れば」「治る」という考えは、そういうところからきているのでしょう。

 早期教育も、人間が人生の「早期」で、「頑張って」「鍛えれば」「望ましい方向に変わる」と考えているからできることでしょう。

 それはそれで素晴らしい考えです。でも、それだけでいいのかな、と私は思ってしまうのです。

 じゃあ、今暮らしている発達障害の人たちは、頑張らなかったの?療育しなかったの?という疑問がわきます。そんなはずはないんです。頑張らなかったのでもないし、療育しなかったわけでもないでしょう。

 早期教育や、「頑張れば望ましい方向に人間は変化する」という考えだけを推し進めるのは、辛くはないかなと思うのです。

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