2008年11月11日火曜日

「おかあさんががんになっちゃった」

書評「おかあさんががんになっちゃった」 藤原すず著 メディアファクトリー 950円(税別)

 マンガです。
 
 まえがきにもあるように、がんを克服した本ではありません。

 でも、著者の「おかあさん」は本当に満足した暮らしをしていったのではないかと思 える本でした。
 
 家族の苦労、治るためなら何でもしたい、してあげたいという気持ちが書かれている本です。

 特にこの本では、がんセンターのかかわりがとても よくて、主治医の松本先生が、ユニークで楽しく、でも「治療ができなくてくやしい」と心情を吐露したり、と、とてもすてきにえがかれています。
 
 そして、お かあさんのがんの受け止め方、とてもいいなあと思いました。「(がんが)消えなくてもいいんですよ。このままの大きさでずっといても。がんも私の一部ですからね。あんまり嫌ってもね」。

 どうして、お母さんががんになったのか、と逡巡する著者。そして、そのお母さんとの日々を大切に過ごしていくのです。あとがきも秀逸です。

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