2010年9月14日火曜日

依存症治療とは何か?その4

依存症の人の「否認」にぶつかったら、外来で私は何か行動をしなくてはならない、と前回書いた。書いたあとで思った。

本当に行動しなくてはならないのか?

行動、というか、何か言わなくてはならない、と思う。じゃあ、何を?何を言うのだ?

最近の結論だが、何も言わなくてもいいのだ。依存症の人たちは、結局は回復したがっている。だから、私は「あなたが回復したいと思っているのを、知ってますよ」と言語的・非言語的に伝えることでOKなことも多いのだ。

逆に、何か偉そうな、知ったふうなことを依存症の人に言えば言うほど、ぐだぐだの状態(依存症の人たちにとっては、依存行動を継続すること)を増幅させるだけになる。

そう、今私のPCに10分おきに出てくる「新しい更新をしました。再起動してください」のメッセージのように、うるさい、と言われるだけだ。

特に私は女医なので、えらそうにすると、アルコール依存症のおじさんたちは反発を強めていく。私も、そういうおじさんたちに対して嫌悪感を持つので、良い関係は保てない。

ただ、どの病気でもそうだけれども、おじさんだからとか、女医だから、というのは当てはまらないと思う。ひとりひとり事情が違っているのだから、それを考えないと。

難しく言うと、普遍化せず、個別化して対応するべきだろうと思う。

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