2009年2月3日火曜日

書評「ハッピーになれる算数」新井紀子著 理論社 1200円(税別)


書評「ハッピーになれる算数」新井紀子著 理論社 1200円(税別)

算数が得意というか、期末テストで80点以上とれるようになろう!ということが当初の目的の本でした。

私も、仕事がら子どもたちにとって学校の成績はいいほうがよろしいと思っている人間なのでこれには大賛成で読み始めました。だって、学校の成績が悪いと、 一日の大半を詰まらない思いで過ごさなければなりません。こんなことを体験するくらいなら、かなり妥協して勉強したほうがいいと思うからです。

それで何度もいろいろな計算のことが登場します。

しかし、この本を読んでいて私が思ったのは、算数というのは私が今まで思っていたのとは違っていたのだという点です。本書の中では、「割り算の言葉づかい」などという言葉がたくさん登場します。つまり、算数というのは、言葉の問題が大事なのだと気がついてしまいました。

でもそれでも、算数って、ちょっとなあと思いがちです。大人になってどう役に立つのかわからないですしね。

この答えがとても端的に書かれていたのが198pです。

≪「あたりまえだ・・・」ということをつなげて式や証明を書くわけですから、間違っているときは間違っている、正しいときは正しい、と、結果がはっきりす るわけです。それは短い時間の間に、何度でもまちがう経験ができる、ということです。「まちがうのはいやだなあ。×(バツ)がついたら、悲しいなあ」と、 あなたは思ったかもしれません。私だって、×はいやです。でも、じつはそこのところがだいじなのです。×がつくのはいやだ、けれど、自分以外のだれにも迷 惑をかけずにたくさん×を経験することができる、というのが数学という科目の利点なのです。×がついた答案は、つい、「こんなもの、捨てちゃえ!」と、ゴ ミ箱に放りこみたくなります。それでは、×は、ただの×です。×のもらい損、ということになります。でも、(中略)、ちゃんと答え合わせができるなら、× をもらうことで、「順序よく整理しないと、わけがわからなくなっちゃうんだな」とか、「仕組みがわからないのに、わかったふりをしてまえに進むとたいへん なことになっちゃうんだな」ということを理解するためのトレーニングを積むことができるはずです。ところで、こういったトレーニングなしにおとなになっ ちゃったら、どうなるんだろう?もしかすると、「リボルビング払い年利18.5%…ま、いいか」と思う大人になっちゃうかもしれませんね。それはあなたの ハッピーにとって、とてつもない危機です。≫

年利18.5%とは、こわいですよね。それに気が付けない。そして、多重債務などにおちいったり。

そうならないために、算数が必要であるということです。

つまり、人生を楽しく過ごすための道具が算数であるということをこの本が教えてくれます。

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