2009年8月5日水曜日

摂食障害の女の子

 先だっての外来で、摂食障害の女の子がやってきました。かなり痩せていて、BMIは12.1でした。

 私はお定まりのように「体に悪いから、ごはん食べるようにしょうね」と言いかけて、やめました。このように話して、実際に食べるようになれた人に会ったことがなかったからです。

 彼女ともう少し話をしてみました。よく聞くと、数ヶ月前にクラスの男の子から「太ってる」と笑われてしまったこと、部活で今までの仲よしの子たちとうまくいかなくなったこと、進級してクラスが変わって緊張していること、お母さんが最近転職してあまり家にいないのでさみしいこと、などなど・・・。

 状況があまりよくなくて、それを何とか変えたいと思っている、どうもそのようでした。彼女にそう聞くと、小さくうなづいていました。

 まだまだ10代の前半の彼女にとって、体に悪いから、といっても何ら説得力がない、と実感しました。

 そこで、次のように伝えてみました。「カッコよくやせられたら、いいよね」。

 彼女がどう思ったか、よくわからないのですが、この話には彼女はOKをくれました。そういうわけで、今、彼女は拒食をしたり、過食をしながらも外来に通ってくれています。

 うれしいことに、随分いろいろと話してくれますし、お父さんやお母さんにもそうらしいです。

 この後、どう彼女が変化するかわからないですが、その変化を見せてもらえたら嬉しいです。

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