2008年12月12日金曜日

発達障害の人の「パニック」

 わりとすぐにパニックになってしまう発達障害の小学生が私の外来に来ています。昨日も来てくれました。

 男の子なんですが、彼の悩みは、学校でみんなと一緒に授業を受けたいのに、パニックがあるのでそうできないということです。

 彼のいいところはかなりの集中力。ただ、それがかなり集中してしまい(彼によると集中しすぎ)、読書をしていると、制限時間を告げる声が聞こえないくらいです。そうしているうちに、授業になってしまい、気がついたときにパニックになってしまうということなのだそうで・・・。

 私としては、そんなに頑張って学校になじまなくてもいいんじゃないかと思う面もあります。でも、彼の希望は学校でみんなと一緒にいたいということなのです。

 私が、これはつらいだろうと思うことは、学校になじめないことで彼の自己評価が低くなっていると思える点でした。

 私の意見だけど、という前提で次のような話はさせてもらいました。

 学校へはおそらくあと10年くらいいくだろうと思うけれども、そこになじむことに頑張りすぎて、あなたのいい集中力がある点などを押し殺すのは、どうなんだろうなあ、ということ、透明人間になれるようなレインコートとかあればいいけどなあという話でした。

 パニックの話の間中、彼は落ち着かない様子で、廊下と診察室を出たり入ったりしていました。最後には私の話を聞いてうつむいていたのでした。

 何かもうちょっと力になれればいいのですが。

 彼の診察は次回が、学校と3回目の話し合いです。解決策がでなくても、関係者と仲良くなれることもひとつの方法、と以前の上司が教えてくれたことを思い出しながら、向き合いたいのです。

 

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