2008年6月22日日曜日

処方薬依存症

 
処方薬の依存症って、聞いたことありますか?



≪医療目的外での処方箋薬使用者は薬物乱用のリスクが高い≫


提供:Medscape



薬物乱用スクリーニングは大学生を対象にルーチンに実施すべきであるが、医療目的外の処方箋薬使用歴がなく、医療目的でのみの使用者リスクは一般に高くない。

Laurie Barclay



【3月3日】医療目的外で処方箋薬を使用する大学生は薬物乱用のリスクが高いが、医療目的で処方箋薬を使用し、医療目的外での使用歴のない大学生では、薬物乱用リスクは一般に高くないことを示す研究結果が、『Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine』3月号に報告された。薬物乱用のスクリーニングは大学生を対象にルーチンに実施すべきであるが、特に医療目的外での処方箋薬使用歴のある人を対象にすべきである、と研究者らは示唆している。

「処方箋薬の医療目的外使用に関する問題は、米国の大学生においてよく指摘されている」とミシガン大学薬物乱用研究センター(ミシガン州アナーバー)の Sean Esteban McCabe, PhD, MSWらは記している。「ますます多くの証拠から、医療目的外での処方箋薬使用を報告する大学生は、アルコールや他の薬物使用(例:喫煙、大量の飲酒、マリファナ等の違法薬物)に深く関与することが示されている」。

本研究の目的は、4種類の処方箋薬(オピオイド、興奮薬、睡眠薬、鎮静薬または抗不安薬)の医療目的および医療目的外での使用率を評価し、処方箋薬の医療目的使用者および医療目的外使用者で分類した相互排他的な4群において、推定される薬物乱用を評価することであった。

2005 年、ウェブを使った自己記入式調査に対し、米国中西部の大規模な4年制大学に通う大学生3,639名の確率サンプルが回答した(回答率68%)。本サンプルの平均年齢は19.9歳であった。回答者のうち、53.6%は女性、67.4%は白人、12.1%はアジア系、6.0%はアフリカ系米国人、4.2%はヒスパニック系、10.2%は他の人種であった。主な評価項目は、処方箋薬の医療目的および医療目的外での使用と、簡易式薬物乱用スクリーニング検査(DAST-10)修正版で推定される薬物乱用であった。

調査回答者のうち、40.1%は4種類の処方箋薬のうち少なくとも1種類を生涯にわたり使用したことがないと報告した。また、39.7%は医療目的での使用のみ、15.8%は医療目的および医療目的外での両方の使用、4.4%は医療目的外での使用のみを報告した。薬物乱用のスクリーニング結果が陽性となるオッズ比は、処方箋薬未使用者に比べ、医療目的および医療目的外での使用者(補正後オッズ比[OR]:5.5、95%信頼区間[CI]:3.4-7.3)および医療目的外のみでの使用者(補正後OR:6.5、 95% CI:4.0-10.6)で高かった。医療目的のみでの使用者および未使用者では、薬物乱用スクリーニング結果陽性のORが統計学的に同等であった。

「医療目的外での処方箋薬使用者は、薬物乱用のリスクが高かったが、医療目的外での使用歴がなく、医療目的で処方箋薬を使用する人では、一般にリスクは高くない」と本研究の著者らは結論付けている。「薬物乱用のスクリーニングは大学生を対象にルーチンに実施すべきであるが、特に医療目的外での処方箋薬使用歴のある人を対象にすべきである」。

本研究の限界としては、無回答によるバイアスの可能性、DAST-10の項目が薬物に特異的でないこと、DAST-10のカットオフ値が十分に検証されていないこと、他の大学生サンプルに結果を一般化できないことが挙げられる。

「臨床転帰を改善するためだけでなく、自分自身の薬物管理に大きな責任を負う大学生集団での処方箋薬乱用を予防するため、薬物乱用につながりうる処方箋薬を受け取る大学生について、適切な診断、治療、治療上のモニタリングを行うのが重要なことは明らかである」と本研究の著者らは結論付けている。「最後に指摘しておきたいこととして、これらの薬物は、処方通りに使用する大半の患者にとって非常に有効かつ安全であり、処方箋薬の医療目的外使用のあらゆる抑制策においてこの点を考慮すべきであろう」。

本研究は米国立薬物乱用研究所(NIDA)、米国立衛生研究所(NIH)(メリーランド州ベセスダ)による支援を受けた。本研究の著者らは、関連する金銭的関係がないことを公表している。





Arch Pediatr Adolesc Med. 2008;162:225-231.


Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape



(以下、psycho)
 依存性の高い薬を外来で処方するとき、私はちらっと、怖くなることがあります。相手を信用していても怖くなる・・・。

 私が怖くなる必要はないのでしょう。でも、責任という立場を考えると、この処方をしたことでこの人が依存症になり、自分が責任を問われる…かもしれない。だとすると、怖いのです。

 相手のことを考えているのではなくて、自分のことを考えている、いや自分のことしか考えていない、身勝手な怖さだと、自分で十分に分かっているつもりです。だから、相手に依存性が高い薬を出すときに、怖くなることが恥ずかしくて言えないのです。

 それでも怖いと思ってしまう。そんな自分がいやになる・・・。

 矛盾あり、葛藤あり・・・。

0 件のコメント: