2008年6月28日土曜日

精神科への国の政策;やれやれ





精神病床の患者、3割超は受入条件が整えば退院可能  厚労省検討会

記事:WIC REPORT
提供:厚生政策情報センター

【2008年6月27日】

今 後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会(第5回 6/25)《厚労省》  厚生労働省が6月25日に開催した「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」で配布された資料。この日は、「精神病床の利用状況に関する調 査」について報告が行われた。  「精神病床の利用状況に関する調査」は、精神科病院1542施設を対象に、入院患者を1割抽出し2月15日時点の状況と1ヵ月後(3月15日)の状況を 調査したもの(P5-P6参照)。入院期間や入院の状況(P17-P27参照)や1ヵ月後の在院状況(P28-P34参照)、退院した者の状況(P35- P39参照)などがまとめられている。  いわゆる「受入条件が整えば退院可能」な患者については、「受入条件が整えば退院可能」とされたのは、患者数全体のうち、33.6%となっている (P22参照)。  また、諸外国の精神保健医療福祉の動向についてまとめた資料が提示されている(P40-P64参照)。



(その1:1.5M)



(以下、psycho)
 私の勤めている地方の精神科病院(精神科のみ)は、この資料の中にあるような、年単位で入院している人がたくさんいます。かれこれ20年以上入院している人も多いようです。
 
 収容することで、地域からそのような人がいないかのようにして、その家族からありがたいと思われていた、私にとってはそんな風にしか見えない病院です。私などが、その病院のその姿勢が好きではないので、何とかしたいと思ってはいるのですが・・・。

 その病院は今、苦労しているようです。
 上の記事のような、国の方針が前面に押し出されると、この病院の恩恵はなくなるのです。そこで、その病院のケースワーカーさんが、家族を呼び出して自宅に患者さんを戻るように説得するのでした。やれやれ。

 それまでは、「よし、まかせておけ」と患者さんである人(おそらくは家で厄介者、と烙印を押された人)を引き受けるような顔をしていたのに、国の方針が変わったとたんに「家に戻ってもいいと思う」というようなことをいわれてしまいまして・・・。家族は困っているようです。

 なぜ私がそんなことを知っているかというと、私の仕事場の隣で、このように患者さんの家族を呼び出して「〇〇さんは、症状も治まってし、本人ももう大丈夫というので、家に戻っていいと思うのですが」と、説得しているのです。
 
 そのたび、患者さんの家族は様々な反応をしています。
 泣き落とし、驚愕、家の現状を訴えまくる、「話が違う」と怒りまくる、・・・。聞いていると、いろんな人がいるなあと思います。
 説得役のケースワーカーさんも、気の毒としかいいようがないです。

 私は、のんびりした役回りなので、なんの負担もないのですが、患者さんの家族も、説得役のケースワーカーさんも、気の毒だなあと思うのです。なんとかできることをしたいと思うのです。

 でも、一番気の毒なのが、この国の政策に振り回されている患者さん本人です。


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