2008年7月3日木曜日
社会的入院って、なに?
精神科で問題になっている、社会的入院のお話です。
2008/06/30(月)
《統合失調症9793人のうち417人が退院 厚労省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」》
厚生労働省は25日、「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」(座長・樋口輝彦国立精神・神経センター総長)を開き、「精神病床の利用状況に関する調査」の速報を報告した。調査対象は、国立病院機構、自治体病院、大学附属病院などの精神科病院1542病院。うち回答提出施設数は996、提出率は64.6%だった。内訳は、自治体病院77(提出率47.0%)、大学附属病院32(同41.6%)、国立病院機構16(同45.7%)、公的病院13(同27.1%)、民間病院(日本精神科病院協会員)858(同70.4%)。それぞれ入院患者の1割を抽出し、2月15日時点と3月15日時点の状況を調査した。
主診断別にみた退院の状況(2月15日時点と1カ月後の比較)は、統合失調症は入院9793人の中退院は417人。認知症疾患は2837人中206人、気分(感情)障害は1078人中217人、アルコールによる精神・行動の障害は733人中114人、その他の精神病性障害は531人中62人だった。退院の割合が大きかったのは、小児期・青年期に発症する行動・情緒の障害が38%で最も多く、次いで生理的障害・身体的要因に関連した行動症候群32%、神経症性・ストレス関連・身体表現性障害27%、気分(感情)障害とその他の精神作用物質による精神・行動の障害がそれぞれ20%の順となっている。
(記事提供:医療タイムス)
(以下、psycho)
症状は改善して退院しても生活できるが、退院して生活する場がないために入院している状態、それが社会的入院、と私は理解しています。
精神科の患者さんたちは、社会的入院が多い、それゆえに退院促進が必要である、と言う流れの中で、上の記事が意味を持つのだと思います。これが、内科や外科であればこのようなことは、考えにくいのです。
精神科に対する偏見を持つな、といっても、持つ人は持ってしまいます。だからこうして、退院促進するための干渉が必要なのでしょう。
でも、それも悲しいと思えてしまうのですが。
もちろん、退院したからといってかならずしもその場所がバラ色の場所ではないと思いますが、その苦労を引き受けて暮らしていくのも、生きていく味なのかもしれない・・・と思ったりします。この考えは北海道浦河町のべてるの家のもので、私がそれに賛同しているのですが。
確かに、今苦しんでいる人にとって、無責任に響くかもしれません。
他の疾患のように、よくなったら退院することが当たり前になるには、どうしたらいいか。その一つが上の記事だと思います。
でも、出来ればその退院した人たちがどんな風に暮らしているかも、報告してほしいものです。
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2 件のコメント:
やっとコメントさせていただきます!
社会的入院については最近「強制入院」させられた人についての話を聞いた時に聞きました。精神を病んで親族にもどうしようもない状態になると、精神科での診察でそのまま入院させられてしまって、身元を引き受ける人がいないと出てこられない・・・。でも精神科の病気についてはみんなよくわからないし、どの状態になったら身元を引き受けていいのかもわからない・・・。よっぽど腹をくくらないと身元引き受けできませんよね。
私が思うに精神科医は病院にこもりすぎだと思うんですね。精神科医がもう少し地域に出ていくことで、また、社会的入院が変わっていくと思うのですが…。私としては、地域の学校や保健所とカンファレンスはしていますが、時間足りないなあって感じです。
もしかしたら、精神科医は地域に踏み込むのが怖いのかもしれません。
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