私は、そうなる、と思っていた記事でした。
| ≪高齢患者に対する心的外傷後ストレス障害(PTSD)の評価を推奨≫ | ||
ニューヨーク(ロイターヘルス)‐Journal of Clinical Psychiatry誌5月号で発表された研究結果によると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)は高齢の被験者において珍しくなく、PTSDの持続期間 の診断はこの集団における抑うつ状態および不安の症状と関連している。 Universitatsklinikum Hamburg-Eppendorf(ドイツ ハンブルグ)のDr. Carsten Spitzerらは、ドイツ人成人3,170名のトラウマへの暴露とそれに続くPTSDのリスクを調べた。 参 加者は、若年群(44歳以下)、中年群(45歳から64歳までの間)、および高齢群(65歳以上)に分類され、PTSDモジュールである Structured Clinical InterviewおよびComposite International Diagnostic-Screenerによる評価を受けた。 全体で被験者1,730名(54.6%)が少なくとも1回のトラウマ的体験を報告した。高齢群のトラウマへの暴露のオッズは、若年群より4倍近く高かった。高齢群のトラウマ的体験の平均回数(2.06)も、中年群(1.31)および若年群(1.34)より有意に高かった。 一 般に、トラウマへの暴露のリスクは、高齢女性と比べて高齢男性で有意に高かった(p=0.012)。しかし、PTSD有病率に性差はなかった。PTSDと 診断された高齢の被験者は、PTSDのない被験者より精神医学的症候群罹患のオッズが有意に高かった(オッズ比=9.10; p<0.001)。抑うつ状態および不安が最も多い病状であった。> |
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(以下、psycho)
高齢者のトラウマが今まで全然問題にされていなかったとしたら、それはすごい問題だと思います。私はだいたい外来で高齢の方を診察する機会は少ないのですが、それでも1%くらいはそういう方がおられるのだと思っています。
これまで、DVの被害にあわれた方(70歳代)、セクハラの被害にあわれた方(60歳代)数名とお会いました。20歳代のころからの被害でしたが、年月がたてば解決するというものでもないですし、今でもそれが継続しているということがほとんどでした。
どの人も皆、DVとか、セクハラという言葉が一般的になったことで初めて自分の話を同性の私にしてみようと思った、とおっしゃいます。私が生きているのと同じ年月くらい被害にあい続けている方たちがたくさんいると思うと、私に何が言えるのか、何をできるのかと、苦しくなります。
でも皆さん、「話を聞いてくれて、ありがとう」と言ってくれるのです。もちろん、傾聴すればいいというものではないと私はわかっている・・・つもりですが・・・。
時々、「昔はよかった」という懐古主義の方がおられます。
私はそうは思いません。今の時代に、こうして、DV,セクハラ、PTSDなどの言葉が生まれて、多くの人が知るようになったことで、自分の苦しみに言葉が与えられて、解決が難しいとしても自分自身に対して自分がおかしい経験をしているわけではないのだという、納得というか、感覚が得られるのがよかったのかもしれないのです。
そして、よかったはずの昔の方が(特に男性が多いようです)、DVやセクハラの加害者なのですから。
もちろん、これは私個人の感想でしかないです。
ただ、私の経験がこの感想を作っているといえましょう。
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