勤務先の病院で、一緒に働いているスタッフをEMDRの研修会に推薦することになって、その時に必要になった、EMDR導入の企画書のようなものを以下に掲載します。
EMDRをなぜ導入すべきと考えるか?
FDAは2004年に「抗うつ薬治療を受ける自殺傾向の児童及び青少年に対する公衆衛生諮問」 を発表し、SSRIによる治療のリスクを警告した。その後、2008年6月16日にさまざまなランダム化比較対照試験に基づいて抗てんかん薬に伴う自殺リスクの統計のまとめと評価の最新版を5月23日にインターネットで公開した。
また、
高齢認知症患者では、抗精神病薬治療開始から30日以内の入院または死亡のリスクが大きいことが、大規模試験で示されたと、発表されている。
この知見は、『Archives of Internal Medicine』2008年5月26日号に発表された大規模地域住民レトロスペクティブ(後ろ向き)コホート研究によるものだ(カナダ)。
つまり、北米圏では、精神疾患に対する薬物療法に関するリスクが近年クローズアップされている。
また、アメリカ合衆国(米国)における医療費の高騰が精神科病床数を減少して、社会的入院を減らし、短期間による治療を地域で行うことにより、減じていった。さらに、米国での、医療保険会社では、認知行動療法などの非薬物療法が、支持される傾向が指摘されている。
上記のことから考えて、米国の精神科治療の流れがメインとなっている本邦において、いずれ精神科薬物療法に変わり、認知行動療法などの精神療法が第一選択となっていくことが予想される。
以上から、EMDRを導入していくことは、今後本邦において重要性を持つものと考えられる。よって、このことをもって、EMDRを導入すべきと推挙する。
(以下、psycho)
上記の記事も私が書いたのですが…。
EMDRとは、(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理)は、最近マスコミなどでも取り上げられることの多くなったPTSD (Post Traumatic Stress Disorder:外傷後ストレス障害)に対して最も効果的 と言われて、大変注目されている治療方法です(日本EMDR学会HPより)。
記事にも書いたように、今や米国やカナダという北米圏では薬物療法よりも、他の治療法が精神科では模索されているのです。
確かに副作用は少ないようにみえるし、短期間で終了できそうだし、よいと思います。まだまだ、効果や副作用はわからないことも多いですが。
米国やカナダがやっているから、というよりも、いずれ体にあまり負荷をかけない治療法として、確立していきそうなのです。
日本のこれまでは、精神科も同様に、北米圏のトレンドを引き継いでいることが多いです。だとすれば、当然、EMDRも導入される可能性が高いですし。
EMDR、頼りにしたいものです。
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