2008年7月19日土曜日

ヘロイン依存症

そんなものなの?という感じの記事です。

2008/07/10(木)

No.J000426

ヘロイン依存症の治療にブプレノルフィン維持療法が有効
KEYWORDヘロイン依存症|ブプレノルフィン

  ヘロイン依存症の治療では、ナルトレキソンよりもブプレノルフィン(商品名:レペタン)の維持療法が有効なことが、イエール大学医学部精神科の Richard S Schottenfeld氏らがマレーシアで行った無作為化試験によって明らかとなった。ヘロイン依存症の効果的な治療法へのアクセス拡大は、HIV感染 の低減の面からも医療上の世界的な優先課題とされる。Lancet誌2008年6月28日号掲載の報告。

ナルトレキソン、ブプレノルフィン、プラセボを比較する無作為化試験

研 究グループは、ヘロイン離脱の維持、ヘロイン依存の再発予防、HIV感染リスク行動の低減に向けて解毒治療および薬物カウンセリングを受けているマレーシ ア人の患者を対象に、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、追加治療なしの群の効果を比較する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した。

ヘ ロイン依存症患者126例が、24週のマニュアルによる薬物カウンセリングに加えナルトレキソン維持療法を施行する群(43例)、ブプレノルフィンを投与 する群(44例)、プラセボ群(39例)に無作為に割り付けられた。薬剤は二重盲検、二重ダミーバイアス法に基づいて投与された。

主要評価項目は、治療6ヵ月における初回ヘロイン使用までの日数、ヘロイン再使用(尿検査で3回連続陽性)までの日数、ヘロイン離脱の最長継続日数、HIV感染リスク行動の低減とし、週3回の尿検査が行われた。

本試験は、中間解析の安全性評価でブプレノルフィン群の有意な有用性が確認されたため、22ヵ月で登録が中止された。

ブプレノルフィン維持療法は優れた公衆衛生学的アプローチ

初 回ヘロイン使用までの日数(p=0.0009)、ヘロイン再使用までの日数(p=0.009)、最長ヘロイン離脱継続日数(p=0.0007)はブプレノ ルフィン群が最も優れ、プラセボ群が最も劣っていた。ブプレノルフィン群は、初回ヘロイン使用までの日数がナルトレキソン群(ハザード比:1.87、 95%信頼区間:1.21~2.88)およびプラセボ群(ハザード比:2.02、95%信頼区間:1.29~3.16)よりも有意に長かった。

ブ プレノルフィン群は、ヘロイン再使用までの日数(ハザード比:2.17、95%信頼区間:1.38~3.42)、最長ヘロイン離脱継続日数(平均日 数:59日 vs. 24日、p=0.003)がプラセボ群よりも有意に長かったが、ナルトレキソン群との間には有意差を認めなかった。

ナルトレキソン群とプラセボ群の間には、いずれの項目にも有意な差は見られなかった。HIV感染リスク行動は3群ともがベースラインに比べ有意に低下した(p=0.003)が、3群間に有意な差は認めなかった。

「これらの知見は、ヘロイン依存症に関連する問題を効果的に低減させる公衆衛生学的なアプローチとして、ブプレノルフィン維持療法を広く普及させるのに役立つ」と、著者は結論している。

(菅野守:医学ライター)

文献
Schottenfeld RS et al. Maintenance treatment with buprenorphine and naltrexone for heroin dependence in Malaysia: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet. 2008 Jun 28; 371(9631): 2192-200.

(以下、psycho)

そんなものかなあと思いました。ヘロイン依存症の人たちのヘロインへの依存を、単にレペタン(=ブプレノルフィン)への依存に置き換えただけじゃないのかなと思いました。

詳しい経過を書いていないので、なんとも言えませんが・・・。

実は、依存物質を置き換えるという方法は、依存症治療では、すでに一般的です。たとえば、アルコール依存症の人に対して、ベンゾジアゼピン系の薬物を投与開始するというものです。でも、私はこのベンゾジアゼピン系薬物は、多くても10日しか処方しません。

言えることは、10日以上内服していたら、今度はアルコールではなくて、ベンゾジアゼピン系薬物の依存症になる可能性があるから処方しないのです。

この記事のあと、この被験者の人たちが、レペタンを求めて救急外来をうろつくことはなかったのでしょうか?

レペタンと同じ系列の薬物の依存症の人にお会いしたことがあります。毎日その薬物を注射してもらうために、救急外来に来るのです。そして、ご丁寧に毎日それを処方する医者・・・。ちなみに、私ではない、別な科のお医者さんです。

いろんな事情があるのでしょうけれども、おかしいと医者は思わないのでしょうか?そんなふうに思いました。依存症だと、思ったことさえないんだろうなとその人のカルテを見て思いました。

その人に私は思い切って、「薬、打ってもらうのやめたら?」と言いました。いや、今思うと命知らず、というか・・・。若いからできたことでしょう。今から大体10年前くらいです。するとその人は私に言いました。「そうだよな。やめるかな」。

私は調子に乗って、いろいろと話をしました。少なくとも、その人がやめたいかもしれないと思ったので、うれしかったのです。馬鹿だって言いましょうか・・・。

結局その人と二度と会いませんでした。会えませんでした。

依存症って、簡単じゃないんですよね・・・。でも、すんごくうれしいこともあって、100回のうちほんの1回あれば、いいなと思えるのです。

これって、依存症の人への依存症?!




 




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