2008年9月12日金曜日

発達障害と報道の在り方を知る本

 「発達障害とメディア」 野沢和弘著 現代人文社 1700円(税別)

  2000年の豊川事件に端を発した「発達障害」=犯罪者というレッテル貼りと思われる報道合戦。そのことを振り返って、発達障害とは何か、発達障害がある人とは交流し得るのか、何を感じ、どのように生きているのかを当事者のインタビューを交えて描いている本です。

 私は職業柄知っていましたが、発達障害の家族の人たちの集まりである、日本自閉症協会というものが存在しているとどのくらいの人が、知っているのかという点に興味が惹かれました。

 つまり、このような集まりや組織が普段からどのような活動をしているのか、ということです。そして、この会の副会長である方が、その文章の最後に書かれていましたが、自分たちが普段から発達障害について発信していくことが重要である、ということのようです。

 いずれにせよこのように、報道、当事者、医療者、家族の立場から発達障害について書かれた本の存在は、冒頭の図式を壊すためには必要であり、そのために、もっと広く喧伝されるべきではないかと思いました。


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