2008年9月1日月曜日

JSPPセミナー

 昨日までの3日間(8月29日から31日まで)、JSPPセミナー(日本児童精神医学会セミナー)に参加しました。

 毎年行われています。趣旨は、児童精神科のシニアレジデントもしくは指導医の方が、後進にノウハウを伝えるというものです。6月に私が参加した学会(http://psychopsycho-psycho.blogspot.com/2008/06/blog-post_13.html)もそのJSPPの活動の一環です。

 私もこのセミナーへの参加が、かなり古くなってきて、私自身も何か後輩に伝えたいと思うようになりました。そこで、このセミナーのことを書いているわけです。セミナーメンバーが事前に準備をして、症例発表をしてもらえたり、シニアレジデントの方から講義があったり、ゲストをお呼びしてその方のトピックスを語っていただいたり、という内容です。

 今年のテーマは、セミナー開催から10年目に当たるので、評価・診断と治療の組み立て、というものでした。10年たって、一つ区切りがついたのです。

 1日目は、テーマに沿った診断、診察方法の講義でした。子供を診察する。それはかなりハードです。ただ仲良くするだけじゃだめで(そうしたいところですが)、客観的にみつめる。これが難しいポイントです。でも、子どもは本当にただ仲良くしてくれる人ではなくて、仲良くしてくれてかつ自分に対してある考えをもっている人と対峙するのが好きなんです。

 2日目は、症例検討会。これが面白いです。普段の生活で、一人の患者さんに対して何時間も医者が寄り集まって、意見をいうことはほとんどないので、これがセミナーのだいご味と私は思っています。5例のプレゼンがあって、1例ずつ小グループに分かれているのですが、惜しむらくはこの5例前部に出席できないという点です。全部聞きたかった・・・。でも、第一希望が通ったから、ありがたいですが。

 2日目午後がつらかった・・・。発達理論の講義です。私の苦手分野で、改めて勉強の必要性を感じ、早速オンライン書店bk-1やamazonで教科書を注文してしまいました。

 3日目は毎年、ゲストの方からの講演です。今年は、ゲストが藤原武男先生(国立保健医療科学院生涯保健部行動科学室長)でした。研究における統計処理、これがネックで私なんぞは論文も書かず、発表もためらっていたのですが、藤原先生のお話を聞いて、統計処理に対する見方が少し変わりました。
 要するに、ものの見方なんだな、と実感できたというべきでしょう。研究した人はその内容がわかるけれども、それ以外の人たちに研究がどのくらい正しいのか伝えるための、ものの見方、道具であるとわかれば後は使うことに尽きると思います。

 セミナーが終わると、今年も自分は変な診察してなかった、という安心感をいただけます。これが一番、ありがたいかな・・・。

 

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