2008/09/22(月)
No.C000087
更年期女性のホットフラッシュは新規の血管障害マーカーか?:
SWAN Heart study -
ホットフラッシュがみられる女性は血流低下による血管の拡張や大
動脈の石灰化が進行しており、 ホットフラッシュは中年女性における有害な血管変性を根本的に特 徴づけている可能性があることが、 更年期女性を対象としたコホート研究であるSWAN(Study of Women's Health Across the Nation)の補助的試験で判明した。 ホットフラッシュがみられる女性は有害な血管変性を有することを 示すエビデンスがあるが、 ホットフラッシュと無症候性の血管疾患との関連は確認されていな かった。
492人の更年期女性で仮説を検証
更年期ホットフラッシュと無症候性血管疾患との関連の評価を目的
おもな結果は以下のとおり。
●ホットフラッシュにより血流低下による血管拡張および冠動脈、
・血流低下による血管拡張:β=-1.01、SE=0.41、
・冠動脈石灰化:オッズ比1.48、95%信頼区間1.04~
・大動脈石灰化:オッズ比1.55、95%信頼区間1.10~
●ホットフラッシュと血流による血管拡張、
・ホットフラッシュと血流による血管拡張の関連:β=-0.
・ホットフラッシュと大動脈石灰化の関連:オッズ比1.63、
(菅野 守:医学ライター)
[監修者のコメント]
本論文は、更年期の女性患者がよく訴えることが多いが、
このホットフラッシュは女性で月経が消失しかかる時期から閉経初
しかし、本研究は、
このホットフラッシュが生じるメカニズムの詳細は分かっていない
現在、性差医学が注目を集めているが、女性特有の症状である、
([監修] 自治医科大学 循環器科 教授 苅尾七臣)
私の外来には、女性が多いです。大体、割合としては60%くらい、女性でしょう。そういう中で、ホットフラッシュ、つまり、更年期のほてりを訴える人も多かったですし、今もおられます。
そういう人たちに対して、上記の記事の話をしたとしたら、どうなるのかなあと考えながら読んでいました。
どの人もおそらくかなりびっくりするだろうなあと思うのです。ただ、大事なことなので、内科と連絡を取り合いながらやっていこうと思っていますが、「内科にも、受診してください」というのは、医療費も増えることですし、それほど軽く言えないなあと思っていますが・・・。
他のことを軽く言っているわけではありません、念のため。
おそらく、採血検査をして、中性脂肪やコレステロールが高い人たちに内科を勧めることになりそうだと思いますが。
だとすると、今後はこの記事のことが日本でもいえるのか、日本ではどのくらいのものなのか、致死性のものとの関連がどうなのか、知りたいことが増えます。
それと同時に、私も外来の人たちに対して、伝えていかないといけないです。
女性医師だと、月経の話もしやすいようですし、閉経のつらさも話しやすいようですから、この強みを生かしていきたいものだなあと思います。
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