「オンナらしさ入門(笑)」 小倉千加子著 理論社
ジェンダーについて、母娘関係について、ここまで切り込んで書いており、かつ私の実感と一致した本はこれまでなかったと思いました。特に成績と女性性(平たく言うと「モテる」ということ)に関する葛藤に関しては、私も少なからず影響されていたので、このような葛藤であったか、と著者の言語化のうまさに唸るほどです。
「「モテる女子」になるためには、「デキる女子」であることをかくさねばならない。そんなとき、女子に「達成動機」を与えてくれる最大のものは、親の心理的支援です。どこまでも、デキる娘でいてほしい。しかし、いくら親が支援してくれても、親は現実の一面しか見ていません。しかも親の支援には、首尾一貫性がありません。お母さんの指示はコロコロと変わります。この間まで結婚なんかしないほうがいいと言っていたのに、最近では、結婚はやはりしたほうがいいと言う。女子は、自分が社会の中で生きていくにはあまりにも計画が定まらず、また計画を定めようにも、あまりにも自分は能力が低いのではないかと思い始めるのです」。
親が悪気があるわけではないのですが、その迷いに「女子」だった当時には影響を受け、今は、その気持ちがとてもよくわかります。オンナノコが生きていくのは、大変な昨今なのかもしれませんが、この本を読むとその葛藤をも楽しめたらいいのかなと思うのです。
1 件のコメント:
初めて「ジェンダー」の概念を知ったときには笑ってしまいました。「なるほど、すいぶんだまされちゃってたねぇ」という感じです。本当に世の中には頭のいい連中がいるものです。意識の刷り込みを自在にやってのけるのですから。自分の頭で考えるには訓練が必要になるほどに・・・。この本を買って自分でも読みたいし、教室の本棚にもさりげなくおきたいと思います。
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