2008年8月22日金曜日

大野病院事件②


 一昨日に判決が下りた福島県立大野病院事件を振り返ると、感情的になってしまいます。もしも自分だったら、と思うと、とても記事は読めない・・・。

 ただ、もしも自分だったら、と思うと、このような事態にならないようによく知りたいという思いも一方にあります。

 感情的に、どうなるかというと、自分だったら、①臨床をできないこと、②患者さんと対立関係になってしまったこと、この二点が辛すぎてとても、医者として生きる気力がなくなる、そう断言できます。

 ①は、日常生活ではほとんどありえません。しかし、子宮外妊娠で手術後10日間入院していて、これがつらかったです。こんなふうに休んだことはこれまでなかったので、余計にこたえたのです。外来に来ていたあの人はどうしているだろうと思って、日々が過ぎる・・・。口にすることはないですが、外来はどうなるのだろうと思い続ける・・・。

 ②は、しばしばあります。最近もありましたし、これから先もあるでしょう。しかし考えるだけで、つらいものです。相手の患者さんもつらいでしょうし。

 私は、なにもすべての患者さんに私の外来に来てほしいということを言っているのではないのです。どこへ行こうと、その人の自由だし、その自由を制限する気持ちは私にはないです。

 ただ、良くなってほしいのです。今辛い症状や、苦しいことがよくなってほしいのです。その結果、私の外来を選ばないことはあって当然だと思います。

 その気持ちがあるのに(私にも、患者さんたちにも)、最大限優先すべきでないことで患者さんと対立するという事態が、この事件の根底にあるような気がします。それが、私にはつらかったと、こうして書いていて気が付いいました。

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