2008年8月23日土曜日

オストメイト

人工肛門の女性らが情報本

生活の知恵、トラブル対処法


大腸がんや膀胱(ぼうこう)がんの手術後、人工肛門(こうもん)や人工膀胱を付けた女性患者たちが、実体験から編み出した生活の知恵やトラブル対処法などを収めた本「元気の花束」(270ページ)=写真=が注目を集めている。女性患者の視点で書かれた本は初めてで、過ごしやすい服装や入浴時のコツなど、きめ細かな情報にふれることができる。

直腸がんや膀胱がんの手術では、腸管や膀胱を切除して腹部に人工の排泄(はいせつ)口をつけることが避けられない場合がある。すると腹部に便や尿をためる袋(パウチ)を付けることになり、精神的に落ち込む患者が少なくない。特に若い女性は、交際や結婚にも消極的になりがちだ。

本を作ったのは、人工肛門や人工膀胱をつけた若い女性の会「ブーケ」。1999年に誕生し、20歳代~40歳代を中心に約250人が加入している。本は、財団法人・正力厚生会の助成金を元に1000部作製し、会員や医療関係者に700部を配布。残る300部を希望者に1000円(送料込み)で配布する。

最初の50ページは、漫画家の横谷順子さんが女性漫画雑誌に書いた「ママはオストメイト」を転載。オストメイトは、人工肛門や人工膀胱を付けた人たちを指し、国内に約20万人いるとみられる。漫画では、人工肛門を付けた女性が、家族の支えで周囲にオストメイトであることを打ち明け、理解を得る過程が描かれる。

オストメイトにとって最も気になるのが、においだ。パウチからにおいが漏れることはほとんどないが「におっているのでは」と気にするオストメイトは多い。

本では、ガスを発生させにくい食事や、パウチを覆ったり、中に入れたりして使う様々な消臭・脱臭剤を紹介している。

人目が気になる温泉や公衆浴場での入浴では、空のパウチを小さく折りたたんでゴムで留め、手などで隠して入る方法や、オストメイトの入浴のために開発された肌色の防水シート(マイケア湯ったりシート)などを紹介している。

また、自宅でパウチを付けずに湯船につかる時は「プリンの容器でストーマを押さえて入ると安心」など体験談も豊富に収録。汗をかく夏場は、パウチと肌が直接あたる部分が荒れやすいため、パウチを覆う布製のカバーの作り方なども詳しく紹介している。

同会の工藤裕美子さんは「つらい気持ちになった時、この本を読んで元気になってもらえるとうれしい」と話している。問い合わせは電子メールで、bouquet@mb1.kisweb.ne.jpへ。
オストメイトのための主な患者会

▼ブーケ(若い女性オストメイト の会)
若い年代の女性オストメイトの会員が交流。ホームページは(http://www.kisweb.ne.jp/personal/bouquet

▼日本オストミー協会
オストメイトの社会復帰と生活の質の向上を目指し活動。ホームページは(http://www.joa-net.org/index.htm)。問い合わせは同協会本部((電)03・5670・7681)

▼日本コンチネンス協会
失禁で悩む障害者や高齢者に役立つ情報を提供。ホームページは(http://www.jcas.or.jp/)。相談電話を開設((電)03・3301・0725)

(記事提供:読売新聞)


(以下、psycho)

 もしも私が、大腸がんになったら、ここへ必ず連絡を取ろう!と思い、この記事を「保存」にしました。

 私は若い女性ではないですが(若くはない、という意味です)、やはりオストメイトとなれば、初めての体験ですので、それはそれでかなり精神的に負担だろうと、そんなふうに予想しています。そのような戸惑いの中で、なにか明かりのような指標があればとてもほっとするでしょうから。

 3000部なんて言わずに、もっとたくさん増刷していただきたいですし、今後も版を重ねてほしいのですが・・・。

 ただ、この本を「ほしい」と言える人たちは、サポートを得る力があって、楽になれるだろうなと思うのですが、「ほしい」といえない人たちは、どうなんだろうと思います。

 外来に、大腸がんの人が来ています。男性ですが、性機能はなくなり、腎臓も摘出しています。彼は「自分自身の運命なので」と言って、全然苦しい様子はみせてくれてません。

 私との間でだけ、そうであればいいと思います。
 私以外の人たちとは、助けを求めたり、「つらいんだ」と弱音を吐ける関係があればそれでいいのですが、どうも、あまりそういうタイプの人でもないので、大丈夫なのかなあと心配です。

 自分の苦しさを実感するのが怖いんだろうなと思って、彼の今のような防衛が働いているのであればその間はあまり苦しくないのでしょうから、それはそれでいいのかもしれません。

 私だけかもしれませんが、いずれ苦しさを感じなくてはならないのであれば、早いうちに、など思うのです。

 ただ、彼は予約を取って定期的に来てくれているので、今後もサポートできるときに、彼がサポートをほしいな、と思った時にそうできたら、と思っています。

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