性的虐待も、虐待なので虐待の影響がその被害に遭った人たちにも登場します。おもに、愛着行動の障害といわれます。
愛着行動、って難しい表現ですが、要するに、子どもが不安になったときに、養育者に対して特異的な反応をすることです。ずっと一緒にいたがったり、離れると泣いたり、スキンシップを求めたりというものだと思ってくれていいと思います。
この愛着が障害されると、愛着障害になります。そして、それには(1)抑制型、(2)脱抑制型とあります。この両方を説明するのはまたいずれということにします。ただ、(1)は他人に無関心を示すタイプ、(2)は他者に対して無差別的に薄い愛着を示す、と覚えていてください。
性的虐待の被害者は、しばしば何度も別の人から性的な被害を受けます。これは、私が考えるに(2)の状態によって、起こるのではないかと思えるのです。
一時的であれ、(2)の状況の人たちは部分的な愛着関係を築きました。だからこその、ことだと思うのですが・・・。
性的虐待の被害を受けている人は、私の外来でも、別の人から繰り返し性的に虐待されるのです。
これを何とかしたいといつも思っているのです。そして、臨床心理士さんや地域の保健師さんと、いろいろと行動しているのですが、これからどうなるのかなあと思っています。
参考文献;杉山登志郎著「子ども虐待という第四の発達障害」(学研)
1 件のコメント:
そうですか・・・、性的虐待の被害者は繰り返し虐待されることが多いのですか・・・。なんとも辛いですね。性の問題を学校で扱えないように圧力をかける政治家が与党に多く存在していて、性教育が脇に追いやられようとしています。学校でも性について向き合えないとすると、いったいどこで扱えばいいの?と思います。あまりの拒否反応にあの政治家たちは知られちゃまずいことでもあるのかしらと勘ぐりたくなるくらいにひどい言いようです。鹿児島ではすでに議会で「過激すぎる性教育」という批判的な発言が繰り返されていて、性教育が下火になりそうです。教育では政治を教えられないのですが、政治がどんどん教育に介入してきて、このままで大丈夫なのかと不安になります。東京都の例もありますし。山口祐子
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