2008年10月11日土曜日

問診数分 すぐ診断書

問診数分 すぐ診断書 : 医療ルネサンス : 医療 : 医療と介護 : YOMI

 診断書というものって、結局はどうやって出すか、そのプロセスが大事なのかなと私は思います。実際、事前の情報がかなりあれば私も、診察数分で診断書を出すこともありますし・・・。

 診断書を出す前に、どのくらいその人を知っているか、ということでしょう。だから、その日の診察はトータルで数分であったとしても、私はその人をよく知っていれば診断書を書きます。

 どういうことが「よく知っている」ということか、というと、次のようなことを私は考えています。

(1)その職場を私自身が見たことがあるか。
 例えば、学校の先生がうつのような症状で受診したとします。そのときに、その学校に行ったことがあり、その学校の他の先生の話を聞いたことがあればベストです。ベストでなかったとしても、同じ学校の先生から勧められての受診であれば話はしやすいですしベター、その地域のその学校の位置づけ(たとえば校内暴力がひどいなど)を知っていれば、可でしょう。

(2)その患者さんの思考・行動様式が予測できるか。
 その人のことをよく知っているとは、究極的にはこのことかと思いますが。ただ、医学的には心理検査をさせてもらったり、なにらかの表現形態をやってもらって(たとえば描画など)その人なりをつかめればいいのだと思っています。
 もちろん、これらを拒否するのもその人のことを知るいい情報です。

(3)仕事を休むことのデメリットを受け入れられるかどうか。
 これは患者さん自身もそうですが、職場もそうでしょう。その人に休まれては、職場も困るわけです。ただ、どの程度なのかはわかりませんから、事情を聞かせてもらいたいわけで・・・。もちろん、患者さん自身の許可が必要です。この許可を得ることで、患者さん自身がどの程度、仕事を休むことに対して内面的にも(罪悪感や、自責感が募らないかどうか)、外面的にも(職場の人からどう思われるかなど)、受け入れられるかもわかるのです。

 でも、この3つのステップを踏むのに大体2週間くらいかかります。しかもその間にはお薬の効き方も確認したいですし。

 そうなると確かに、数分での診察で診断書発行、というのはあり得ないことですね。

 というか、この記事のタイトル自体に私は違和感ありです。「問診」って、私のイメージでは大学病院で研修医の先生がする行為で、診断書を出すという際の診療は「診察」ですから。

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