昨日は読書会でした。主催の私と夫以外にも数名の方が集まっていただいて、「ハリーと千尋世代の子どもたち」(山中康裕著、朝日出版社)を読みました。
タイトルを私は実はあまり気にしていなかったのですが、参加した方から「ハリー・ポッターと千尋を比較した部分はこの本にあるのでしょうか」と聞かれて、とっさに探しました。ありました、ありました。p187です。この部分で、二つの作品を比較しています。
著者によれば、ハリー・ポッターでは「悪」は「絶対悪」であって、外部にあるものだそうです。ところが、千と千尋ではそうではないのです。「悪」とは自分の中にもあり、いうならば、「影」だそうです。
これを読んで、合点が行きました。私にとって、ハリーはなんとなく一元的で面白みに欠けると思っていたのです。逆に、千尋は登場人物に深みがあって、おもしろい。千尋に登場する湯婆は、結局は子供を溺愛していて、その子供である坊にとっては、悪人ではないわけですから。私は、湯婆に入れ込んでしまいましたし。
一冊の本を何人かで読むと、こういう発見があって面白いです。読書会のだいご味ですね。
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