2008年10月19日日曜日

産業医研修;禁煙治療について

 昨日は産業医研修に行ってきました。禁煙治療のための講演会です。講義が2コマで50分。ロールプレイもあって、講義ばかりではなかったです。

 ただ、ちょっと緊張しました。知っている人がいない上に、みんな私の父親くらいの年齢のしかも、「お医者さん」ですから。

 そうなると自分が緊張して、いつもの通りにはいかない気がしてしまいました。

 講義は、まさしく依存症治療のものと一緒!依存症の人たちとのかかわりが、私の今後にも生きるなあと思って、うれしくなりました。

 ロールプレイはちょっとつらかったです。緊張してるなあというのがよくわかりました。できれば、アイスブレークみたいに、お互いを少しほぐせるプログラムがあったらよかったかと思うのですが、自分の講演でもいかに緊張させている可能性があるかとわかりました。

 というのも、私はいつも大体ぶっつけで質問するので。

 最近は禁煙治療と言っても飲み薬があって、これがかなり楽に禁煙できるのだと会場の体験者の方の意見からわかりました。すごい進歩です。もう苦しい禁煙治療はないのかもしれないと思うと、隔世の感があります。

 ただ、私の場合外来に女性が多くて、今後以下のような問題もあるんだろうなあと思いました。妊婦さんと喫煙の問題です。

ニコチンガムは喫煙する妊婦に有用

提供:Medscape

ニコチンガムと禁煙相談の併用により喫煙本数はやや減ったが、禁煙率の低下はみられなかった。在胎週齡と出生時体重は増加した。

【10月3日】喫煙習慣のある妊婦にニコチンガムと禁煙相談を併用することにより喫煙本数はやや減ったものの、禁煙率は減らなかった。
 一方、在胎週齡と出生時体重は増加した、というランダム化試験の結果が『Obstetrics & Gynecology』10月号に報告された。

 妊娠中の喫煙に対する薬物療法の安全性と有効性を検討する必要性がある」とコネチカット大学医学部(ファーミントン)のCheryl Oncken, MD, MPHらは書く。「非妊娠例の試験で、ニコチン代替療法は禁煙率をプラセボの約2倍にする。しかし、妊娠中のニコチン代替療法が安全で有効な禁煙補助療法かどうかについては、見解が一致していない」。

 同試験の目的は、妊婦の禁煙に関して2mgニコチンガムの安全性と有効性を評価することであった。

 毎日喫煙している妊婦をランダムに2mgニコチンガム(n = 100)かプラセボ(n = 94)の6週間投与に割り付け、その後6週間かけて投与量を徐々に減らした。すべての女性で個別の行動相談を行い、喫煙をやめない女性には、喫煙本数を減らすためタバコの代わりにガムを噛むよう勧めた。全試験期間にわたってタバコの暴露指標が収集された。

 両群の年齢、人種/民族、喫煙歴はほぼ同じであった。プラセボに比べて、ニコチンガムは生化学的に有効な禁煙率を達成しなかった。(投与6週後13% 対 9.6%; P = 0.45; 妊娠 32‐34週18% 対 14.9%; P = 0.56)。

 しかし完全な解析で、ニ コチンガムは1日の喫煙本数の有意な低下(ニコチンガム: ?5.7 [SD, 6.0]; プラセボ: ?3.5 [SD, 5.7]; P = 0.035)およびコチニン濃度の低下(ニコチンガム: ?249 ng/mL [SD, 397]; プラセボ: ?112 ng/mL [SD, 333]; P = 0.04)と関連した。さらに、ニコチン群の出生時体重はプラセボ群より有意に重く(3287 g [SD, 566] 対 2950 g [SD, 653]; P < p ="">

「ニコチンガムは禁煙率の上昇につながらなかったが、ニコチンガムの使用により新生児の健康を推し量る2つの重要なパラメータである出生時体重と在胎週齢が増加した」と著者らは書く。

同試験の限界は、精神の健康問題や物質乱用歴があるなど社会経済的に恵まれていない女性が対象集団の主体であったこと、1日の喫煙本数およびバイオマーカーに対する効果が完全解析でしか認められなかったため、ニコチンガムのタバコ暴露減少効果を明確に示すことができなかったこと、である。

「我々は禁煙と喫煙本数減少の両方でニコチンガムの効果を検討したが、喫煙本数減少の促進を目的に妊娠管理でニコチンガムを常用することは推奨されない」と著者らは結ぶ。

 米国立衛生研究所が同試験を支援した。Glaxo-Smith Kline社はニコチンガムを無償提供した。著者のうち数名は開示情報でPfizer、Glaxo-SmithKline、Nabi Biopharmaceuticals、Ortho-McNeil Pharmaceuticals、H. Lundbeck A/S、Forest Pharmaceuticals、elbion NV、sanofi-aventis、Solvay Pharmaceuticals、Alkermes, Inc、Bristol-Myers Squibb各社と様々な金銭関係にあることを明らかにしている

Obstet Gynecol. 2008:112:859-867.Medscape Medical News 2008. (C) 2008 Medscape

 

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